週3日勤務、1年契約のパートタイマー。育児休業は与えなくていい?

こんにちは、社会保険労務士の菊池です。

 今回も人事労務の素朴な疑問について書きたいと思います。

~週3日勤務、1年契約のパートタイマー。育児休業は与えなくていい?~

Q:週3日勤務、1年契約のパートタイマーが育児休業を取りたいと言ってきま
 したが、当社では非正規労働者向けの育児休業制度はありません。
 次の契約更新はせずに終了とし、育児が落ち着いてまた働きたくなったら
 優先的に採用するということで問題ないですよね?

A:会社に制度がなくても、法律の要件を満たす場合は育児休業を与えなけれ
 ばなりません。1年契約など有期契約労働者の育児休業取得要件は、法改正に
 よって大幅に緩和されたため、多くの人が育児休業を取得できるようになっ
 ています。法定の要件をよく確認して、違法な取り扱いをおこなわないよう
 注意しましょう。


○取得要件を大幅緩和
 育児休業は、原則1歳未満の子を養育する労働者が申し出た場合に、休業させ
なければならない制度です。男性、女性、パートタイマーに関係なく、法律の
要件を満たせば休業させなければなりません。これは法律で定められた労働者の
権利であり、会社に制度があるかどうかは関係ありません。
 6ヵ月や1年契約など有期契約の労働者についても、育児のために働けないなら
期間満了で雇用を終了というわけにはいきません。「有期契約労働者の育児休業
取得要件」を満たす場合は育児休業を与えなければならないのです。しかも、この
要件は平成29年1月より法改正によって大幅に緩和されています。
 申出時点で次の契約更新をどうするか決まっていなくても、図の2つの要件を
満たしているのであれば育児休業を認めなければなりません。
 今まで有期雇用については、育児休業を取得できる人が少数派でしたが、改正
後は取得できない人が少数派になっています。「基本的に取得できる。ただし、
勤続1年未満の人や、更新の上限があって1歳半までに雇用が終了することが明ら
かな人は取得できない」という風に覚えておきましょう。
 なお、要件をみたしたかどうかは休業開始時点ではなく「申出時点」で判断し
ます。申出時点で勤続1年以上なくても、その後1年以上になればその時点で育児
休業の申出ができるようになります。


○週3日勤務でも?
 ご質問のパートタイマーは週3日勤務ということですが、所定労働日数が少な
くても、そのことで育児休業の申出を拒否することはできません。
 ただし法律では、労使協定を締結して一定の労働者を育児休業の対象から除外
することを認めています。
 たとえば「週の所定労働日数が2日以下の者」は、あらかじめ労使協定で定め
ていたのであれば育児休業の対象外とすることができます。


○最新法に対応していますか?
 就業規則が最新の法律に対応しておらず、「当社の就業規定に照らしてパート
タイマーには育休を与えない」という取り扱いをしてしまう例がありますが、これ
は違法です。また、現場の管理職レベルで「パートタイマーや契約社員は取得でき
ない」と育児休業の申出を拒否してしまうこともあるので、注意が必要です。



では次回もお楽しみに!