副業・兼業の促進に関するガイドラインの内容

こんにちは、社会保険労務士の菊池です。

 今回も人事労務の素朴な疑問について書きたいと思います。

~副業・兼業の促進に関するガイドラインの内容~

 厚労省がまとめた労使双方のメリットと留意点を考えます。
 働き方改革の一環として、副業や兼業を一定条件を満たせば認める企業が増え
てきました。労使双方にとってメリット、制度導入に際しての留意点はどこにあ
るのか。厚労省が発表したガイドラインをもとに考えます。

 2019年6月にみずほフィナンシャルグループは副業・事業を認める人事制度
を今年度中に導入する方針であることを明らかにしました。例えば勤務は週3日
とし、副業・兼業を認めるという内容です。このことからも、副業・兼業への
各企業の関心が高まってきていることがわかります。副業・兼業の促進について、
厚生労働省が発表したガイドラインを紹介します。


1.副業・兼業の現状
 副業・兼業を希望する人は年々増加傾向にあります。理由は自分がやりたい
仕事であること、スキルアップ、企画の活用、十分な収入の確保など様々です。
多くの企業では、副業・兼業を認めてはいませんが、企業が副業・兼業を認めるに
あたっての課題と懸念は、自社での業務がおろそかになること、情報漏えいのリス
クがあること、競業・利益相反になることが挙げられています。また、副業・兼業
にかかる終業時間や健康管理の取り扱いをどうすべきかが分かりにくいとの意見も
あります。


2.副業・兼業促進のメリット
○労働者のメリット
 離職しなくても別の仕事ができ、スキルや経験を得ることでキャリアを形成する
ことができること。本業の所得を生かして、自分がやりたいことに挑戦でき、自己
実現を追求することができること。本業を続けつつ、よりリスクの小さな形で将来
の起業・転職に向けた準備・試行ができることなどが挙げられています。

○労働者の留意点
 終業時間が長くなる可能性があるため、労働者自身による就業時間管理や健康管理
も一定程度必要なこと。職務専念義務、秘密保持義務、競業避止義務を意識すること
も必要です。

○企業のメリット
 労働者が社内では得られない知識・スキルを獲得することができること。労働者の
自律性、自主性の確立が期待できること。優秀な人材の獲得、流出の防止ができ、競
争力が向上すること。労働者が社外から新たな知識・情報や人脈を入れることで、事
業機会の拡大につながること、などがあります。

○企業の留意点
 双方の業務に必要な労働時間の把握・管理や健康管理への対応、職務専念義務、秘
密保持義務、競業避止義務をどう確保するかという懸念への対応が必要です。


3.企業・労働者の対応
 企業は、労働者と十分にコミュニケーションを取ることが必要です。労働提供上の
支障や企業秘密の漏洩などがないか、また長時間労働を招くものとなっていないか確
認する観点から、副業・兼業の内容を労働者に申請・届け出をさせることも考えられ
ます。労働者の場合は、勤務している企業の副業・兼業に関するルール(労働契約や
就業規則)を確認し、双方が納得感を持って進める必要があるでしょう。


4.副業・兼業にかかわる保険について
 労災保険の支給は、災害が発生した就業先の資金分のみに基づき算定します。通勤
災害については、事業場間の移動で起こった場合は、移動後の事業場の保険関係で行
います。
 雇用保険は、労働者が生計を維持するために必要な主たる賃金を受ける雇用関係に
ついてのみ被保険者となります。
 社会保険については、事業所ごとの判断により、被保険者の要件を満たすかを判断
します。満たす場合は二以上事業所勤務届の提出が必要になります。



では次回もお楽しみに!